この記事を読むのに必要な時間は約 12 分17秒です。
こんにちわ!
日本における5G周波数の総務省から割り当てに関する発表が4/10(水)にありました。
5Gとは何?!
そもそも5GのGとはGenerationの略で無線通信の規格としては第五世代と言われています。
これまで携帯電話の世界は1つ世代が上がる毎に色々な事が新しく出来るようになっていきました。
第一世代:主に電話のみ
第二世代:電話+ショートメール
第三世代:電話+メール+携帯サイト用に特化したWeb閲覧
第四世代:電話+メール+Web閲覧+(動画閲覧) ←今ココ
第五世代:電話+メール+Web閲覧+動画閲覧+α
筆者が各世代で出来るようになった事の大体のイメージとしてはこのような内容です。
現在であれば、電話やメールやWeb閲覧は当然の事のように出来るかと思います。
また、動画については現在の第四世代では軽い動画程度であれば携帯でも十分見れるかと思いますが、重い動画、特にリアルタイム配信のようなものは現在は家のWiFiに繋げているとかは別として外で携帯で見ていると少し遅いなとかを感じるのが一般的な感覚ではないでしょうか。
このように様々な発展を遂げている無線通信技術ですが、1Gと2Gではより音声の品質の改善に力が入れられており、3Gと4ではデータ通信に対してより力が入れられて発展してきました。
4Gと5Gの違いと将来について
5Gになると勿論これまで以上に通信スピードが改善されますが、今回は新しく同時多接続が大幅に改善される、という進化の方向性を取るようです。
現在の4Gは1つの無線機に対してどれだけ頑張っても1000台の携帯電話が一斉に利用しようとすると4Gのアンテナは立っているけど、全然動画見れない、とかになります。ギリギリ接続は出来てて軽いメールくらいなら送付出来る、というレベルです。
これが5Gになると最大同時接続数が現在の100倍にせよ!という規格になっているため、1無線機で最大10万台の端末が接続出来る、という世界が5Gの世界です。
花火大会とかライブ会場とか電車が遅延した時に「携帯繋がらないよー」というのが一発で改善するレベルの話です。これは期待ですね!
何故、最大同時接続数が大幅な改善をする方向に発展してくのかというと、来たる5G時代ではIoTと呼ばれる端末を介してあらゆる物と物が通信で繋がる世界を実現するのである、という時代に対応するためです。
今は一人が携帯1台を持つのが常識の世界になりましたが、これが一人の人が複数台の通信端末を持つ、さらには自宅や公共の場には数十の通信端末が存在する、という世界になろうとしています。
それに対応するためにはこれまでのようにただ早いだけではなく、多数の端末が接続出来る事が条件であるため、こうした発展の方向になっています。
5Gを利用した社会がどのような社会になるのか、楽しみですね!
5G周波数の割り当て結果
そんな5G周波数ですが、今回は3.7G帯、4.5G帯、28G帯の募集があり、以下のように周波数帯が割り当てられました。

詳細としては、、
<NTTドコモ>:計600MHz幅
・28GHz帯(400MHz幅 x 1)
・4.5GHz帯(100MHz幅 x 1)
・3.7GHz帯(100MHz幅 x 1)
<KDDI>:計600MHz幅
・28GHz帯(400MHz幅 x 1)
・3.7GHz帯(100MHz幅 x 2)
<ソフトバンク>:計500MHz幅
・28GHz帯(400MHz幅 x 1)
・3.7GHz帯(100MHz幅 x 1)
<楽天モバイル>計500MHz幅
・28GHz帯(400MHz幅 x 1)
・3.7GHz帯(100MHz幅 x 1)
5G割り当て結果:ソフトバンク惨敗
帯域幅
周波数帯域はより広い方が高速通信を実施する事ができ、また多重接続を可能にします。
そのため、今回の結果を見るとドコモとauが600MHz分の割り当てを得ていて、ソフトバンクと楽天は500MHz分しか割り当てられていないので、ドコモとauが良い結果だった、という事が分かります。
割り当て場所
電波はより低い周波数の方がより遠くまで届き、かつ建物などが多い場所でも繋がりやすい、という特性を持っています。そのため携帯事業者としては少しでも低い周波数帯を欲しいのですが、今回の割り当て方を見ると、、、
3.7G帯域の良いところ順→ドコモ、au、楽天、ソフトバンク!
28G帯域の良いところ順→楽天、ドコモ、au、|隙間|、ソフトバンク!
となっています。
また、3.7G帯域と4.5G帯域の割り当て場所の希望について各社は以下のように総務省へ提出していました。
- 3600~3700MHz(100MHz幅)
- 3700~3800MHz(100MHz幅)
- 3800~3900MHz(100MHz幅)
- 3900~4000MHz(100MHz幅)
- 4000~4100MHz(100MHz幅)(※)
- 4500~4600MHz(100MHz幅)(※)
- NTTドコモ(2枠):1、2、4、3、6、5
- KDDI(2枠):1、2、4、3、5
- ソフトバンク(2枠):2、1、3、4、5、6
- 楽天モバイル(1枠):1、2、3、4
(帯域番号は希望順で記載)
これを見るとドコモ、au、楽天は3.7Gの一番いい場所である一番低い帯域を希望しているのに対してソフトバンクは一番いい場所は第二希望で、第一希望は2番目の良い場所を希望しています。
→つまり最初から一番良いところは諦めている!!
諦めているので最初から第一希望は二番目に良い場所にしていますが、その場所が第二希望であるauに割り当てらてしまい、全くソフトバンクの希望通りにはなっていません。
以上2点を見るとソフトバンクにとっては非常に残念な結果ですね、、
ソフトバンクを面白い会社だなと思ってソフトバンクグループ株(9984)を保有している筆者としては複雑な心境です。
惨敗結果の原因
周波数の割り当ては好き嫌いで割り当て場所を決定しているのではなく、事前に各事業者に5Gが割り当てられたらどのように事業展開をするのか?という調査書の提出を求めています。
総務省へ各事業者が提出した内容を見てみると、5Gへの各社の姿勢が見えます。

各社が総務省に提出した5G周波数割り当て後のサービス内容ですが、5年以内にドコモとauが全国の殆どどこでも5G使えるようにする、と言っているのに対してソフトバンクと楽天は全国の半分ちょっとくらいしか展開しない、となっています。
これは日本の半分でしか5Gが使えない事を意味しています。また、ソフトバンクは投資額も大きくなく、5Gの展開に関してはあまり積極的に実施していくような姿勢とは言えません。
そのような状況であったため、このような割り当てに関する状況になってしまったと言えます。
割り当て結果による株価への影響は!?
これまで5G割り当て結果がソフトバンクにとっては惨敗と言っても過言ではないくらいの状況であると見てきました。
しかし、5G周波数に関して言うのであれば、ドコモとauは全国的に接続できるように設備投資を実施するが、ソフトバンクと楽天については都市部には展開するが、それ以外のエリアについては4Gで十分!という判断を下している、とも言えます。
更に4Gの帯域である700~3.5Gまでの帯域であれば少しでも低い帯域の方がより遠くまで届き、より繋がりやすくなる、という事もありますが3.6GHz~4.0GHzの間というこれまでと比較して非常に高い周波数の中であればそれほど大きくは変わらない、とも考えられます。
つまり、今回の5G周波数に関して言えばソフトバンクについては戦略的にいい場所を取りにいっていない、とも見る事が出来ます。
詳細は分かりませんが、実際に日本では関東の都市部だけで日本全国の通信容量の7割~8割となっている、という話もあるため都市部だけ展開すれば後は大丈夫、という事なのでしょうかね。
このような結果から今回の5G周波数割り当てによるソフトバンクの株価への影響はどうなのでしょうか?
サービス観点で言えば都市部をしっかりとカバーしていれば各社のサービスの質は大きくは変わらない、と筆者は想定しています。
ただし、昨今注目されている5G技術、という技術に対して5Gサービスを行う周波数の割り当てにおいて惨敗している、という結果から株価に対してあまり良くない反応が出る可能性はあります。
しかし、ソフトバンクグループは現在は携帯会社とは言えない会社になりつつあるため、そこまで株価大きな影響は出ないのではないかと筆者は思っています。
また、出たとしても先日の孫正義会長の記者会見でソフトバンクの株が安すぎる!と主張して次の日に株価が一気に上昇した剛腕で下がったとしても上がるようにするのではないか、と想定します。
ただ、ソフトバンクモバイル(9434)の株価については今回の件や今後5Gサービスを2020年に向けて展開していく中で懸念事項になっていくだろうな、と想定しております。
最後まで読んで頂きありがとうございます。