コラム

吉野家が赤字に転落した原因は?その業績悪化理由は他人事ではない

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こんにちわ!

牛丼界で天下を謳歌していた吉野家が遂に赤字になってしまいました。

吉野家には学生時代何度もお世話になったし、社会人になってからは株主優待で何度もただ飯をご馳走になっていたので非常に寂しい気持ちにもなりました。

そんな思いで深い吉野家が赤字になってしまった理由を見てみたいと思います。

赤字転落の原因

吉野家が赤字に陥った理由は何なのでしょうか。

理由1:原材料価格の高騰

昨今様々な食品が値上がりしている事と同じく吉野家が利用している牛肉の価格が上昇しています。

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吉野家が利用している牛肉は米国から輸入しています。この牛肉ですが、米国では食用としては利用されておらず、ただ廃棄するだけだったような部位を日本が安く買い取っていたため、これまで低価格の販売を実現してきました。

しかし、近年この牛肉を中国も購入をするようになってきました。それだけならまだしも米中の貿易戦争の結果、米国が販売しているこの牛肉も価格が上昇してしまい、その煽りを吉野家が受けて今回の赤字に繋がりました。

 

理由2:人件費の増加

また、コンビニ業界でも人手不足で話題になっていますが、牛丼業界も同様で安い賃金では人を雇う事が出来なくなってきており、人件費が増加している事も営業利益を圧迫している理由になります。

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企業経営について

こうしたコスト増が要因で赤字に転落してしまった吉野家ですが、利益だけ見れば赤字ですが、売上自体は微増しています。

これは日本において吉野家の牛丼のの人気が無くなったとか、吉野家が戦略的に失敗したというわけではなく、コスト増に対して吉野家が有効に対応出来なかった、というのが実情かと思います。

 

他の牛丼チェーン店の状況

では他の牛丼チェーン店である、すき屋と松屋はどのような状況なのでしょうか。

すき屋は客数、客単価共にプラスであり、前年を上回る利益を上げています。

松屋は客数は微減したものの、客単価があがり、結果的に前年を上回る利益を上げています。

つまり牛丼業界においては松屋とすき屋は特別業績が落ち込む事はなく、ほぼ維持した、という状況ですから、吉野家の一人負け状態である、と言えます。

これは何故なのでしょうか?

前項でも挙げた通り、吉野家は米国の牛肉を利用していますが、松屋やすき家は米国の牛肉ではなく、豪州産やニュージーランド産の牛肉を利用しているため、上述したような米中貿易戦争の影響を受けず、現在量の高騰の影響を受けなかったと言えます。

また、豪州産やニュージーランド産の牛肉は米国の牛肉よりも安く輸入する事が出来ます。これもまた2社に取っては原価を抑える事が出来る大きなメリットの1つになります。

その他、吉野家は牛丼が主力商品、という戦略になっているかと思いますが、すき屋や松屋については牛丼を主軸に据えつつも豊富なメニューで勝負しているため、単純な牛肉一つの価格高騰での影響を受けにくい販売モデルであるとも言えます。

筆者は吉野家のシンプルな牛丼が一番好きですけどね。

 

他人事ではない?

こうした吉野家の状況は企業にとっても個人にとってもあまり他人事ではありません。

私達が住んでいる現在の地球は100年前よりもずっとグローバルな社会になりました。これは100年前であればアメリカの会社が1社潰れたところで大きな影響はなかったかもしれませんが、今は1社潰れるだけでも大きな影響が世界中に出るようになりました。

2008年のリーマンブラザーズの倒産によるリーマンショックが非常に良い例だと思います。

そのため、吉野家が米国と中国の貿易戦争に巻き込まれたようにこうした世界での様々な出来事は他人事ではいられない世界になってきました。

こうした世界でしっかりと情報をキャッチし、すべき判断を取っていかなければいけないのが、現在の世界になります。

 

また、吉野家が牛丼1本で勝負しているような状況でしたが、これは株の1銘柄全力買いに似ており、こうした状況が今回のように牛丼価格の高騰という1つの事象に物凄い影響を出してしまいました。

仮に牛丼チェーンの他に不動産事業でもしていれば物価の上昇に伴って牛丼で損した分、不動産では利益を上げる事が出来たかもしれません。

いずれにしろ、自分たちの事業を複線化出来なったため、非常に大きな影響を今回受けるようになってしまいました。

個人でもどれだけ自身がある分野だとしても世界に絶対という物は少なく、特に投資や事業においては確実な物など殆ど存在しないため、そうしたリスク分散は常に意識する必要があったかなと思います。

 

まとめ

吉野家の赤字原因について見てみました。

物価の上昇や米中の貿易戦争が赤字の原因でしたが、そうした影響が私達の身近なところでも起きている事が分かる1つの事例でしたね。

筆者としては吉野家の牛丼は好きなのと株主としてまだまだ吉野家の牛丼を食べに行きたいと考えているので頑張ってほしいなと思っています。

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。