コラム

割りに合わない出世したくない若者が増えるのは当然だがデメリットに注意

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こんにちわ。

出世したくない若者が増えている、という話は平成の時代からよく見るようになりました。

実際に私も社会で働いてみて、改めて出世するとはどういう事なのか、学生の頃と比較して考えが変わった部分もあれば、思っていた通りだなと思う部分もありました。

そうした出世に対する考え方について記事にしてみました。

出世したくない若者が増える理由

記事タイトルにも入れましたが、出世したくない若者が増える理由は単純明快で出世する事に対する責任の増大さと比較してメリットが少ないからです。

仮に平社員から中間管理職に昇進した場合、目標を達成するために多くの事を上司から要求されます。また、下からは様々な不満や仮に能力が不足していれば突き上げ等の多くの問題が生じるようになります。

この板挟みのような状況を乗り越えようと多くの時間を会社に捧げるようになります。しかし、給与面でのリターンは多くありません。私の勤める会社でもお給料の面では残業代が無くなってしまうので、あまり大きくは変わりありません。

もしこれが例えば

平社員:年収500万円

課長:年収1000万円

部長:年収2000万円

役員:年収4000万円

等の役職が上がるたびに給与が倍になるようなレベルで伸びるという事であれば管理職を目指すメリットもあるかと思います。しかし、実際にはそこまで上がらない、もしくは20%~30%程度の上昇というのが私の感覚です。

しかし、責任については役職が上がるたびに完全に倍以上になる、というのが私の印象です。

役職毎における責任の範囲

役職を得ると責任が伴います。それはイチ平社員の頃のように担当業務を完遂する、という責任だけにはとどまらなくなってきます。

平社員であれば担当している仕事を完結する事が責任として求められます。

課長であれば、該当の課として会社に貢献する成果を出す事が求められます。それは数字等の目標であったりもします。そしてこれが達成出来れば課員全員の評価が上がります。つまりボーナス額やお給料などが増えます。

言い過ぎかもしれませんが、課長が課員の生活を抱えている、とも言えます。

同様に部長になれば部員全員の生活を左右するインパクトを出す、言えます。部長と言えば結構な人数を抱えます。例えば100人の部だとした場合、部長は100人の生活に対する責任を負う事になります。

これが役員や社長になるとその人間の判断がどのくらい社会に貢献するのか?という部分に対して影響力を出してくるようになります。これは会社の売上を変えてしまう判断であり、もし失敗でもしようものなら社員全員の生活が変わります。

1万人の大企業の社長であれば、1万人の社員の運命を握っていると言っても過言ではないのです。一人の人間の判断で1万人の社員が職無しになる可能性があり、その会社に勤める人間だけではなく、その家族の生活も崩壊させてしまう可能性があるのです。

これだけの責任が伴う社長でさえ、そこまで多くの給与を貰いはしません。

つまり会社で出世し、偉くなるという事は、

業務上の責任の増大+担当範囲の社員と家族の生活の責任

というのが筆者の考えです。

 

出世のメリット・出世しないデメリット

出世すればするほど、業務上の責任の増大と担当範囲の社員と家族の生活面の責任が発生すると出世によるデメリットを述べました。

では出世する事によるメリットや出世しない事によるデメリットは何か見てみます。

出世によるメリット

出世によるメリットとしては

  1. 給与としての増額
  2. 管理職経験による技能向上
  3. 転職活動時の優位性

かなと思います。1つ目の給与は伸び率はあまり期待出来ませんが、多少なりとも伸びるとは思う簡単な話かと思いますので省略します。

管理職経験による技能向上、これは管理職などのマネージメント経験をする事で一般社員が経験出来ないような事が出来ます。その知見はどんな仕事をする上でも役に立つでしょうし、日々の生活の中でそうした経験が役立つ事もあります。

責任が大きく大変な分、自身の成長に繋がるというメリットがあります。

転職活動時の優位性については、管理職経験者と未経験者では転職先の数が異なります。転職先としても管理職経験があった方が勿論良いでしょうし、良い条件で転職の話を貰える可能性が高いです。

また、これは通常の転職時だけの話ではなく、60歳以降の第二の職場でも生きてきます。仮に○○会社で役員でした、という方であれば60歳以降も顧問や会長職やアドバイザーとして再就職に困らない可能性が高いです。しかし、平社員で定年を迎えた場合、60歳以降も同じ会社で給料が50%削減、という形で勤めるような道しか残されていない可能性もあります。

 

出世しないデメリット

出世しない事によるデメリットは以下があります。

  1. 同年代や年下の管理職を許容可能か?
  2. リストラ最候補
  3. マネージメント経験が出来ない

人によるでしょうが、同じ年の管理職や年下の管理職の元で働く事が出来るか?という話です。全く意に介さない、という方であれば問題ないと思います。

しかし、同年代の人間が管理職をしていて、話す内容も違えば、経験している事も異なり、業務的にも雑用ばかりやっていて惨めに感じるかもしれません。そうした部分についてどのように考え、感じるかと思います。

また、いざ会社の経営が傾いた場合、真っ先にリストラ候補は非管理職の45歳以上の社員です。管理職であればあるほど、こうした人材はリストラの候補からは除外されます。なので、管理職を目指さない、という事であればいつでも転職出来る準備はしておく必要があります。

上述の話に繋がりますが、転職活動しようとしてもマネージメント経験がない、というのは転職活動をする上で不利になります。問題にならないほど特殊スキルを保有しているのであれば、問題ありませんが年齢を重ねるほど、現場ではなく、マネージメント経験が重要視されるのが現在の日本社会です。

 

出世するしないは慎重に、、

出世して責任が重く大変な選択肢を取るのか、それとも出世しないリスクを取るのかは選択です。

根本的に出世する事が出来るだけの能力を保有していない、というケースは洗濯も何もありませんが、出世できるのにも関わらず出世しない事によるリスクもそれなりには存在しているため、安易に出世しない、と決めてしまうのはやめた方が良いです。

また、現在の日本企業がこうしたメンバーシップ型の会社形態を多く取っているため、こうした課題は発生していますが、仮にジョブ型の会社が増えた場合、出世という概念が無くなるかもしれません。

 

何かの参考になりましたら幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございます。