コラム

年金運用で大失敗!?過去最大の14兆円の損失は本当に問題なのか?

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こんにちわ!

年金運用が巨額の赤字を出したことが話題になっています。

そんな私達の年金を運用しているGPIFがメディアから攻められていますが、それは本当に危惧すべきことなのかどうかについて見てみたいと思います。

ポルちゃん
ポルちゃん
年金貰えるかな。。
和泉
和泉
ポルちゃんは社会保険料を払っていないからこのままだとGPIFの運用成績に関係なく、貰えないね。。。
ポルちゃん
ポルちゃん
・・・。猫でも雇ってくれる会社ないかな??
和泉
和泉
猫カフェでもやってみる??

 

 

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)とはどのような組織

そもそもGPIFとはGovement Pension Investment Fundの略であり、その名の通り政府系年金運用投資ファンドの事を指します。

2001年から年金の運用を開始しており、2018年度3期末時点で約150兆円を運用している団体になります。150兆円と聞くと私のような庶民からすると途方もない額に聞こえ、うまく想像出来ません。

この莫大な金額を国内債券(35%)、外国債券(15%)、外国株式(25%)、国内株式(25%)の基本ポートフォリオで運用しています。

ちなみに年金の総支給額は2018年度予算では55兆円になります。この金額のうち、約7割は現役世代が治める厚生年金などの税金から捻出し、約2割は国が負担し、約1割は積み立て年金(GPIF)からの捻出をしています。

つまり、GPIFは約3年分の年金を現在運用しているのです。

巨額の損失とは?

現在話題になっているのは2018年10~12月期における運用において14兆8039億円の損失を出した、という事が問題視されています。

また、2014年までは元々外国株式と国内株式のポートフォリオ比率をそれぞれ12%から25%に上げており、株の比率を24%から50%まで比率を上げなければこれだけの損失にならなかったのではないか?と現在非難されています。

 

GPIFの運用実績

駄目じゃないか?と思ってしまうような損失額を出したGPIFですが、2001年からのトータル運用実績を見てみるとトータルでは56兆6745憶円のプラス収益を上げており、年利で見れば毎年+2.73%の利益を出し続けている事になります。

引用:年金積立金管理運用独立行政法人HP

私達の将来の年金資産を徐々に増やしてくれていますので、とてもポジティブな結果だと思います。

ここで言いたい事は株価の含み益と含み損に関しては良い時もあれば悪い時もあります。むしろ悪い時があるからその時に買い増しが出来るため、後で株価が上がり、大きな利益を生むのです。リーマンショックの時もあの時は多くの方が含み損になりましたが、その時にずっと株の買い増しを続けていた方が現在多くの利益を得ています。

GPIFについては今回の約15兆円についても含み損益で確定を実施した状況ではありませんので、今後株価が上がれば徐々に今回のマイナスは回復してきますので現段階では株価比率を上げた事については大失敗というのは時期尚早かと思います。

また、GPIFの日本株で運用している約42兆円という金額ですが、日経平均の1日の売買代金は約3兆円と言われています。そのため、こんなに大きなお金だと私達の株のやり取りとは異なり、株価に対して間違いなく物凄いインパクトを出します。

例えばGPIFが株の10%でも売却したならば日経平均にすさまじい株価変動が起きます。そのような額を運用していながら平均すると利益を上げている、というのはある意味凄いなと私は思います。

唯一懸念されるのは急に金額が必要になった場合、保有株式を一気に売却し始めると急激な下落局面に入るため、その場合は保有資産価値が現状よりも目減りするリスクがあります。

 

GPIFへの批判は時期尚早

以上の事より、資産運用は短期で見ては駄目です。長期で見た場合、トータルリターンがどの程度なのか?が重要なのであり、今回の一見でGPIFが駄目だと決めつけることは出来ないかと思います。

また、2019年2月現在は外国株式が値を戻しつつあるため、3Qから4Qにかけてはこのままであればまたプラスに転じるのではないかと想定出来ます。

情報の世界は良い内容よりも悪い内容の方が拡散しがちです。2017年等はそのため、しっかりと真実を見て、情報リテラシーを高めて正しい判断が出来るようになるように日々勉強ですね!

2017年は約10兆円ものとてつもない運用益を出していましたが、目立った報道はされませんでした。しかし2018年の3Qに出した損失に関しては目立った報道が多々実施されるのが良い例かなと思います。

むしろ、そのように報道する事でもっと税収を上げなければいけない理由になってしまうため、野党が今回の件で与党を責めるほど、与党は消費税を上げやすくなったりするのではないでしょうか。

また、年間で平均すればプラス3%弱の運用成績を出すGPIFですので、GPIFのポートフォリオを参考にするのも資産運用としては一つの良い戦略かもしれません。

 

まとめ

  • GPIFは積み立て年金を運用する会社で現在150兆円程度のお金を運用している
  • GPIFはトータルで見れば50兆円以上の含み益を出している
  • 今回の一件でGPIFの方針が悪い、2014年の株保有比率を上げるのが駄目だったと評価するのは時期少々
  • ポートフォリオの保有比率についてGPIFを参考にするのも1つの戦略

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。