コラム

公的年金破綻の原因と対策 破綻はいつ頃?本当に破綻するのか?

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こんにちわ。

先日金融庁が正式に年金制度は維持できない、という事を発表されました。また、豊かな老後を過ごすためには貯蓄を2000万円ほど貯めて下さい、との国民に向けた忠告が発表されましたが、こちらについて触れていきたいと思います。

年金制度の維持が厳しい理由

年金制度の維持が難しい、ということは以前からよく言われていました。理由はいくつかあります。

少子高齢化

言わずと知れた日本は少子高齢化社会です。今後もどんどんと年金受給者は増加していきますが、年金を納める現役世代は減少しています。そのため、収入へ減り、支出が増えるという構図が明確に見えるため、年々年金の受給条件や受給額は減少しています。

 

平均寿命の高齢化

元々年金制度が定められ1961年の平均寿命はおおよそ70歳でした。長生きする人も当時にはいたと思いますが、それでも多くの方がおおよそ70歳で亡くなっていた社会が日本社会だったのです。

70歳程度で亡くなる事を前提に作られたのが公的年金制度でしたので、60歳から受給を開始したとしても10年程度で亡くなる想定でした。

しかし、現代は医療技術の進展が進み、平均寿命は80歳を突破しています。さらに今では人生100年時代とも言われるような時代になりました。

仮に60歳から年金を受給して100歳まで生きた場合、40年間も年金を貰い続けることになるのです。これは当初年金制度を作成した時からは想定外の事態であるため、年金制度の見直しが必要になったということです。

近年は受給が60歳から65歳に引き上げられましたが、今後平均寿命が伸びていくことで70歳になっていくことも考えられます。

公的年金加入者数の減少

年金が貰えないのではないか?という不安から年金に頼らず生活すると決心され、そもそも公的年金に加入しない、という選択をしている方が僅かながらですが、増加している傾向が金融庁のデータを見る限りではあるようです。

一般会社員の方はそうした選択は出来ませんが、自営業者の方はそうした選択をすることが可能なので、今後こうした流れが加速するようであれば公的年金の財源確保が難しくなる、という課題があります。

 

年金制度は本当に破綻するのか?

ではこうした問題から本当に年金制度は破綻するのでしょうか?

筆者の意見は年金制度は破綻はしないが、減額はされていくと思っています。

理由としては

年金制度の破綻=収入無しの方が大多数

現在の65歳以上の大多数の方の主な収益源は年金です。そのような状況にも関わらず、年金が維持できない、という理由で突然支払いを0にした場合、日本はクーデターが起こるか、高齢者が生きていくために物を盗むというような犯罪を沢山するような犯罪大国になり兼ねません。

今後、日本がどのような形に変化していくとしても年金が大多数の方の収入の柱である事は変わらないと想定されるため、日本が国として存在している限り、年金をなくす、という事はできないと思います。

年金制度は保険の側面もある

年金制度には一般的に現在65歳から受給可能な老齢基礎年金の他に65歳以下の現役中だっとしても病気になって働けなくなった時や亡くなってしまった歳に本人や遺族がある程度の収入を得ることができる仕組みとして障害基礎年金、遺族基礎年金、という制度が存在します。

そのため、65歳から年金が貰えるか分からない、という不安から年金制度に全く加入しない人が激増する、という事は現在日本人の殆どの方が何らかの生命保険などに加入している状況から推測するに無いかなと思っています。

 

GPIFの運用状況は上々

以前以下の記事でも触れましたが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が年金を運用しており、年率で大体2.73%(2018年末まで)で増加しています。これまでの累計プラス金額は約56兆円という途方もない数値になります。

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2018年10月〜12月の運用成績だけが悪くて散々メディアに叩かれていましたが、該当時期は全世界的に株価が下落傾向であったため、むしろよくこの程度のマイナスで済んだ、というほどGPIFの運用は手堅く良い方法で運用されていると言えます。

 

少子高齢化社会では高齢者の意見が政治に反映される

日本は民主主義国家であるため、選挙は基本多数決で決まります。結果的に少子高齢化社会の日本は高齢者の意見が尊重されるようになります。

そのため、高齢者にとって年金制度撤廃、高齢者の医療費負担増額、というような制度は通りにくいのが現状の日本です。そのため、高齢者に優しく、若者に厳しい国へと日本は今後一層変化していくことが想定されます。

具体的には現役世代の医療費負担は増額するが、高齢者の医療費負担は据え置き、というようなことです。

 

年金受給額減額に向けた対策

上述のような理由から年金制度自体の破綻はしないと推察されますが、年金額の支給額自体は現役世代が減少する事から減額はされると想定されます。

つまり現在の65歳の方より45歳の方が65歳になった時にもらえる年金額が減額されている可能性が高いです。そのため、どのような対策をすべきでしょうか?

これについては金融庁も散々言っていますが、資産運用すべき、と筆者も思います。

年齢によって働ける限界が来るのは明白です。年金が収入の柱であっても問題はないと思いますが、年金の他に副収入を資産運用などから得られるようにすべき、と思っています。

現状であれば、60歳までずっと働き、妻が専業主婦であった場合の世帯でもらえる年金額は約20万円です。さすがにこの金額が維持されるとは考えずらいですが、例えば15万円になったとしても不足分の5万円を何らかの形で補えれば良いのです。

それが不動産からの賃料収入でも株主としての配当でも構いません。どのような形でも良いので可能であれば不労で収入源を年金以外にも構築すべきかと思います。

 

その他の対策としては生涯現役で働くことのできる仕事を見つけることです。

仮に生涯現役で働くことができればそこまでお金に困る事はないでしょうが、こちらは健康状態の問題であったり、そもそも体力も知力も衰える老後には多くの方が仕事をするのが難しいと思いますので、やはり筆者としては不労で収入源を確保する方法を推奨します。

 

2000万円の貯蓄をしてほしい、という発言について

若干炎上してしまった老後までに2000万円の貯蓄をしてほしい、という発言についてですが、こちら一般的に見れば保険業界や不動産投資の会社からは老後に3000万〜4000万必要と言われています。酷いところだと5000万とか1億というところもあります。

それに比べれば政府は2000万円で良い、と発言したのです。つまり、、

2000万円を老後までに用意できれば後は何とかできるだけの制度を維持する

とも捉えることができます。

貯蓄が0の世帯が30%いるとも言われていますが、実際に貯蓄がある家庭に対してもこれまで数千万円必要だと言っていた各種会社と比較してみれば政府の言っている事はよほど国民のことを考慮した発言とも捉えることができます。

 

ただ、貯蓄0かつ何の対策もなしで年金のみの老後を迎えてはいけない、ということだけは以前からも言われていたことですし、これからもそのようにしなければいけない、ということを肝に命じて各自で対策をしていかなければいけませんね。

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。