コラム

東京の転入超過は何故起きる?今後の想定と政経分離のススメ

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こんにちわ!

東京の転入超過が止まらない件について書いていきたいと思います。

東京転入超過

総務省によると2018年における東京圏(東京、千葉、神奈川、埼玉)における転入者が転出者を大幅に上回り、前年度よりも約14万人もの人が転入超過となったようです。

その他は愛知、滋賀、大阪、福岡が転入超過となったようであり、8都県が転入超過、残りの39道府県については転出超過となったのが2018年の流動人口推移となります。

引用:総務省統計局

 

逆に2018年に転出超過が多かったのは茨城県、福島県、新潟県の順で多くの転出超過が生じました。

 

転入超過の理由

では一部の都市、特に東京圏への転入超過は何故生じるのでしょうか。

考えられる理由としては

  • 学業(大学進学を機に東京圏へ転出)
  • 職場(就職を機に東京圏へ転出)

が最も大きい理由かと思います。筆者も大学進学を機に北海道から東京に移り住んだ一人です。

私の地元、札幌では高校生達には北海道大学が進学先としては非常に人気でした。理由は地元である札幌に大学がある国立大学だったからだと個人的には思っております。しかし、北海道大学に進学した友人達の殆どが就職時には北海道では就職せず、主に東京圏で就職しました。

彼等いわく、やりたい職種が道内企業に無い、最先端の事に触れたい、道内企業に就職しても札幌勤務が保証されていない、道内企業に就職したけれど、結局東京勤務になった、等々の理由で現在東京圏にいるようでした。

そのため、就活では北海道から何度も東京圏に足を運び、苦労しながら就活している様子の方もいました。

 

上記は筆者の身近な例ですが、何を仕事としてお金を得て生きていくのか?という非常に単純な事で東京圏を選択する人が多い、という事が理由で東京圏の転入超過が生じているのだと思います。

かつて江戸時代に地元で生活するのが苦しいため、江戸へ出稼ぎに出てきた百姓と似ており、人は生きていくためにより良い選択肢を求めますので、その答えが現状東京圏に多い、というのが実情かと思います。

 

今後の想定

安倍内閣が東京圏への一極集中を是正するため、地方創生を2014年から政策として実行しており、地方交付金などの助長を実施していますが、今のところ目立った効果は挙げられていないように思います。

そのため、今後も経済の中心である東京圏に人口が集中する事が想定されます。

今後、東京圏に人口が集中する事で考えられる事象は

土地単価の上昇

どれだけ人口が増えても東京圏の土地が広くなるわけではありません。港区の広さは埋立地を更に広げるなどしない限りは一定です。なので、毎年10万人以上もの人が東京圏に転入してくるのであれば、その分土地代は上昇し、土地の値段が上がり、賃貸の値段が上がっていく事が想定されます。

東京の3LDKの賃貸はかなり安くても10万円以上しますが、私の地元では駅近で5万という物件があってこれは結構ショックを受けました。

そのため、不動産業界はかつてないほど盛り上がっていますね。今のうちに土地を保有しておくことは一つの良い戦略かもしれません。

身近な知人からの例ですが、元々1つの庭付きの古い家があったそうなのですが、その家が取り壊されて新しく同じ土地に4つのペンシルハウスが建てられたそうです。販売価格は1つ6500万円程だったそうですが、すぐ売れたみたいですね。筆者には買えません。。

これを見ても東京圏の土地代が物凄い高騰しているなと思いました。

 

日本全体の人口減少スピードの増加

東京都の出生率の低さは日本一位です。また、ワーストトップ10以内に東京、千葉、埼玉、神奈川が入ります。逆に一番高いのは沖縄です。

つまり東京の人口が増えれば増えるほど、出生率が下がるため、どんどん日本の人口減少が加速します。

これは東京圏での未婚率の高さも併せて原因となっています。面白い仕事や娯楽が多い東京圏では結婚だけが幸せではなくなっており、多様な生き方が出来るため、未婚率が増加している傾向があるようです。

また、結婚家庭においても子供一人を育てるための経済的負担が大きく、子供の数が少ない、という方も多いようです。保育所不足や共働きが普通になった現代では母親の育児休暇期間がその分リスクになってしまうため、早期の職場復帰のために子供を沢山育てる事が出来ない、という考えや親が地方在住のため、親に育児を頼む事が出来ない事も子供が少なくなってしまう理由に挙げられています。

いずれにしろ、仕事のために東京に出てきたのにも関わらず、先に挙げた賃料などの東京圏の高物価や実質賃金低下による経済的な面で子供の数自体を少なくせざるを得ない事情が見えます。

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政経分離のススメ

現在東京在住の自分が言うのもアレですが、東京の一極集中は東京という場所が多くの富を生み出す一方で国力という観点では長期的に見れば人口減少を助長する状態なので良い状態ではないと思います。

元々田舎出身の筆者とすれば、広い家とペンシルハウスだったらどちらに住みたいか?という事であったり、海外の方が物凄い狭い都内のお店を見て、ここは何かの収容所か?と表現されたりと、とにかく土地が高い事によってQOLが下がっている印象がぬぐえません。

また、であれば少し都心から離れた場所に住むと今度は通勤に長時間の満員電車というサラリーマンの強敵が待っています。

 

そのため、東京への一極集中は少なからず是正した方が良い、という思いを多くの人が抱いています。多くの人々が思っているという事は仮にそのようなサービスや仕組みが出来上がった場合は一気に人口流動が起きるハズです。

それが在宅ワーク等の働き方改革なのか、経済の中心が東京だけではなく、複数の都市になるのかなど、現時点では明確な答えはありませんが、多くの人が抱いている願いであれば、いずれ解決に行きつくと思っています。

 

また、現在の日本は政治機能も経済機能も全て東京に集中しており、仮に東京に何かあった時に日本は機能停止に陥ってしまいます。

投資的な観点でも分散は非常に重要ですが、政治機能だけでも東京から分離して仮に転出超過が一位の茨城に政府機能関係者だけでも移せば数万人が移動する事になります。

政治と経済を分離している有名な国としてはオーストラリアが有名でしょうかね。経済の中心であるシドニーは非常に有名ですが、政治の中心であるキャンベラはそちらが首都だったの?と皆が一度は思った事があると思います。

アメリカや中国などもそのように政経が分離されていますね。

是非日本も経済の中心東京、政治の中心茨城、茨城に国際空港の新設などやってみてはどうかなと勝手ながら思っております。

 

まとめ

  • 東京圏への転入超過は14万人であり、転入理由は進学と就職
  • 東京圏への転入超過は当面続くとみられるが、将来的には解決すると予想される
  • 政経分離を実現させて東京圏の人口増加を抑えるのも一案

 

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