コラム

普通の生活さえ難しい現代日本 普通の生活が出来る年収額はいくらか?

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こんにちわ。

大人になると普通の生活をする事自体が難しい、というのを感じます。同時に親に対して尊敬と感謝の思いが大きくなっていきます。

こうした普通の生活と一般的に思われる生活自体が過去に比べて現代の日本では難しくなってきているように思えます。

そんな普通の生活がどのくらい難しいのか?また、金銭面だけ切り取った場合、一体どのくらいの年収があれば普通の生活をする事が出来るのか見てみたいと思います。

普通の生活とは!?

まず、普通の生活とはどういう生活の事をいうのでしょうか。

普通とはただの大多数の意見であり、万人に共通の普通の生活など存在しない、などの哲学的な意見はおいておき、ここでは以下のように考えたいと思います。

  • 夫婦と子供2人の家族構成
  • マイホーム持ち
  • マイカー持ち
  • 週に1度は外食
  • 年に1度は家族旅行
  • 子供は大学まで進学
  • 老後は夫婦で楽しく生活

 

上記を普通の生活と定義づける事にします。

普通の生活に向けた数々の関門

普通の生活を送る上で関門となる各問題について見ていきます。

第一関門:結婚

あなたが産まれてきたのならば必ず両親がいます。そして例外はあるにせよ大多数は結婚して家族となり、あなたを育ててきたかと思います。

そのような結婚自体が現在の日本では非常に難しくなっています。

厚生労働省発表による人口動態統計によると結婚率や離婚率については以下のようになるようです。

こちらのグラフの見方として1%である場合、人口が100人いた場合1人が結婚する、という割合になります。。

見てわかるように1971年などは一時的に物凄い数の方が結婚されたのが見受けられますが、それ以降、特に2000年に入ってからは日本人における結婚する人の割合が低下傾向であることが分かります。

また、男女ともに初婚の年齢も徐々に引き上がっています。

日本の総人口における結婚適齢期の人間の割合が減少しているから結婚率も減少しているのである、という見方も出来るかもしれませんが、晩婚化は確実に進んでおり、ひとえに多様な生き方が叫ばれる中で結婚をしない方が増えている影響かもしれません。

いずれにせよ、ここで定義している普通の生活である結婚して、という部分でまず高難易度になりつつある、という事が分かります。

 

第二関門:子供二人

普通の生活と定義した子供二人ですが、こちらも非常に難しいです。

先ほど晩婚化が進んでいるというデータもありましたが、それに伴って子供の数も減少傾向になります。

先ほどと同じく厚生労働省のデータによると1世帯当たり何人いるか、という統計データを見てみると今回普通、と定義した4人が1990年以降減少しているのが見えます。

こちらのデータは核家族だけではなく、3世帯家族で住まわれている方も含んでいるため、実際の子供の数はこれよりも少ないかもしれません。

現実として夫婦で生活したとしても子供が2人以上いる世帯数は減少傾向であり、結婚しても夫婦二人だけ、もしくは子供1人という世帯が非常に多い事を意味しています。

女性は35歳を超えると妊娠が難しくなっていくため、晩婚化によって欲しくても子供を授かる事が出来ない家庭も増えている事が想定されます。

また、子供が多いと家計が回らない、仕事が忙しくて子供どころではない、保育園が見つからなくても二人目は考えられない、という家庭もあるかと思います。

このようないくつもの理由から結婚する事も難易度高でしたが、更に結婚したとしても子供二人(以上)を授かる事も高難易度なのが現代日本、という事が言えます。

 

第三関門:経済

結婚し、子供も授かったとしてここで定義している普通の生活に当てはまる以下の条件を達成するためにはある程度の経済力が必要です。

  • マイホーム持ち
  • マイカー持ち
  • 週に1度は外食
  • 年に1度は家族旅行
  • 子供は大学まで進学
  • 老後は夫婦で楽しく生活

ではこれらを実現するためにはどのくらいの年収が必要なのでしょうか?

総務省統計局のデータによると大体夫婦2人と子供4人の平均的な生活費は30万/月になります。

ここに加えて以下の各種出費を加えます。

マイホーム:初期費用や修理費500万円(ローン返済は月々の生活費に考慮済)

マイカー:100万円(ランニングコストは生活費で考慮済)

外食:生活費に考慮済

家族旅行:10万円/年

大学までの養育費:1500万円/一人

老後:3000万円

上記を合計すると約7000万円程度なので、月々の30万円の出費と合わせると仮に30歳から考える場合、、

7000万 / 30歳 = 230万円/年

30万*12か月 + 230万 =590万円/年(←手取りで必要)

税引き前必要年収:800万円!!

という額が必要になります。

これは一人で稼ぐ場合なので世帯年収であれば、累進課税における税率軽減などもあるため、世帯年収としてはもう少し低くなります。

いずれにしろ、筆者としては子供二人を育てるだけでもかなりの所得を要求するな、というのが正直な感想です。。

 

普通の生活代表者である野原ひろし

ここまで普通の生活について見てきました。一般的に普通の生活と思っていた生活は実は物凄い恵まれた生活だという事やそもそもそのような生活を出来ている世帯が日本においてどのくらいあるのだろうか、とさえ思えてきます。

一昔前までは当たり前だった日本の生活は、長引いた平成の不況や国際社会の競争力が低下した事から最早一部の人にしか出来なくなってしまうような時代になってしまったのかもしれませんね。

アニメ・クレヨンしんちゃんの世帯主である野原ひろしは典型的な普通の生活(かなり良い生活)をしているように思えます。

埼玉の春日部市に4LDKの自宅を持ち、マイカーを保有し、子供二人にも恵まれ、年収も650万円の係長、といわいる普通の生活(かなり良い生活)のように思えます。

それでも安月給とか駄目だなとか言われていますが、現代日本人にとっては憧れの生活になりつつあるのかもしれません。

経済面に関する対策

経済面に関してだけ言えば対策は2つしかありません。

生活水準を落とすか、収入を上げるかです。

生活水準を落とす場合教育費を落とすのはあまり得策ではないため、例えば居住費の削減になります。

仮に埼玉県春日部市に4LDKの家を購入すると約3000万円程度になりますが、同じサイズの家を東京23区で購入すると場所によっては億を超えます。なので少しでも安い場所に購入するなどして生活費を落とすという事が考えられます。

また、収入を上げるという場合

  • ダブルインカムを目指す
  • 本業で昇給を目指す
  • 副業で副収入を得る
  • 資産運用をする

という方法が考えられますが、いずれにしろ簡単ではありませんのでやはり普通の生活をするために経済も大きな障壁になります。

また上記選択肢で多くの方がダブルインカムを目指しているのが今の日本の現状かと思いますが、その結果として子育てに時間を割くことが出来ず、子供の数を制限せざるを得ない、等の問題も生じており悪循環となっています。

まとめ

普通の生活をすることは現在の日本ではかなり難しく、仮に夫婦と子供2人の4人家族で普通の生活をしようと思ったら世帯年収で約800万円程度は必要になります。

これは平均額であるため、生活費が高い東京などであれば更に必要額は上がる事になります。

こうしてみると本当にそんなに贅沢したいわけでもないが、普通に生活がしたい、という希望が今の日本では贅沢な願いになりつつあるような気がして少し寂しいですね。

今後より良い政策が行われたり、大きな転換が起きて少しでも日本で普通の生活が出来る良い国になれればなと思います。