この記事を読むのに必要な時間は約 4 分36秒です。
こんにちわ!
少し前のニュースですが、パイオニア(6773)が香港ファンドに買収される事が決定し、上場廃止予定となった事についてみてみたいと思います。
パイオニアはどんな会社!?
パイオニアの創業はなんと戦前の1937年になります。最初はスピーカー等のオーディオ機器でその名の通り、次々に新しい商品を開発していました。その後、車載オーディーオに始まり、カーナビ等の含めたカーエレクトロニクス産業を中心に事業を展開していました。
私も就活でパイオニアの説明会には行っていたので、カーナビの会社!として非常に印象深かったです。
しかし、カーナビについてはスマホの登場で優位性を失ってしまったように思います。
北海道出身の私としては広い北海道の大地を地図で四苦八苦しながら親がしているのを目にしていましたが、カーナビが世に出回るようになって超便利!と思いました。しかしスマホが出てきてからは地図の更新も早いし、何より地図アプリと現在位置がストレスなく動くため、全くカーナビ必要ないなと思うようになりました。
先日タクシーに乗った時にそのタクシーではタブレットとカーナビの二刀流だったのも印象深かったです。タブレット良いですか?と運転手の方に質問したところ、こっちの方が早く動くのでこればっか使ってますね、と言っておられ、カーナビ業界苦しいだろうなと思いました。
パイオニアの各種指標を見てみるとここ2年が非常に苦しそうですね。
パイオニア アニュアルレポート
https://jpn.pioneer/ja/corp/ir/library/annual_reports/2018/pdf/2018j.pdf
引用:パイオニア株式会社
EPS(1株辺りの利益)は2年連続マイナス。しかもマイナス方向に拡大傾向。
ROA(総資本利益率)/ROE(自己資本利益率)も2年連続マイナス。しかもマイナス幅が拡大
とこれだけ見ても非常に危険な会社に見えます。
ただ、数字を見る限り会社としては2009年にあったリーマンショックが一番大きな痛手だったのではないかと思います。
EPSが私は見た事がないくらいマイナスになっています。
そのショックから一時立ち直れはしましたが、その後また徐々に厳しくなり、盛り返しきれなかったというところでしょうか。
これから株をやってみたいという方であれば、上場廃止になるような会社の決算資料にある数字は参考になるかと思います。
既存株主が持っている株価はどうなるの?
パイオニア(6773)の株かですが、現在保有している株主はどうなるのでしょうか?
既存の株主に対してはこのまま保有し続ければパイオニアが66.1円で買い取ってくれるようです。ただ、香港ファンドによる買収が急遽頓挫してしまった場合は買取が実施されないため、市場で足早に売ってしまう方もいるようです。実際、パイオニアの株として資金を眠らせておくよりも早く少しでも現金化して次の運用に回した方が良いと思うので、市場で売られている方も多そうですね。
パイオニアの株価を見てみると香港ファンドによる買収公表前の12/7は88円でしたが、そこから一気に66円前後まで落ち込んでいます。というか今年に入ってからずっと右肩下がりの悲しい状態だったんですね。上場会社が非上場になる場合の傾向として参考になる推移だなと思いました。
また、全然知らなかったですが、パイオニアは日経225の1銘柄なんですね。こちらも上場廃止までは組み込まれる予定のようです。
(2019/5/28追記)
株価は最終的に65円となっています。一時は400円を超えている時期があったのに寂しい最後ですね。

まとめ
- パイオニアは80年以上の歴史を持つ会社で最初はオーディオ機器を販売していた会社
- パイオニアの財務諸表を見るとEPS、ROA、ROEなど代表的な数字が軒並みマイナスであり、マイナスが拡大傾向だという酷い状況
- 既存株主の株はパイオニアが購入予定のため、購入予定価格で現在の株価は貼り付き状態
- 投資家の方は上場廃止になる株のサンプルとして参考にしよう
最後までお読みいただきありがとうございます。