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こんにちわ!
プレミアムフライデーが始まってから丸2年が経過しましたが、その経済効果や労働者への変化について述べたいと思います。
プレミアムフライデーとは
2017年2月24日(金)に始まったこの施策は給料が支給された後の月末の金曜日に個人消費を喚起するため、3時に仕事を終える事を奨励し、買い物や趣味の時間として使う事を推奨する日とされています。
政府肝いりの政策として始まったため、メディアでもかなり広告され、日本国民への認知度はかなり高いです。
しかし、導入前から月末はどの企業も納期等で忙しく、導入が難しい会社が多いのではないかと言われていましたが、2年経過した2019年2月においても導入企業は全体の約10%程度と言われています。
そもそも企業がプレミアムフライデーを導入するには多くのハードルがあります。
業務時間を9時~18時としている会社である場合、プレミアムフライデーは9時~15時での勤務とした場合、働かなかった3時間分は給料が削減されるのか?それともその時間は会社が従業員の給料を補填するのか?という問題あります。
仮に従業員の給料を補填するとなった場合、会社側から見ての利益追求の観点ではメリットは何もありません。逆に働かなかった分の給与を削減するとなった場合、強制的にそのようにしてしまう事は法律の問題が生じてしまうため、社員への合意が必要になります。
また、プレミアムフライデーを活用して利益を追求するような旅行会社や飲食店の場合はプレミアムフライデーの取得を推奨する事が出来ません。そのため、根本的に導入が難しい企業、というのも存在します。
このような様々な課題が存在しているため、月初の金曜日をプレミアムフライデーとした方が良いのではないか?とか月曜日の午後から出社とした方が経済的な恩恵があるのではないか?と言った様々な意見が専門家の間でも出ており、社会全体に浸透するにはまだまだ時間が掛かりそうです。
プレミアムフライデーによる経済効果
ではプレミアムフライデーに対しての経済効果はどうなのでしょうか?
元々はプレミアムフライデーの経済効果は5000憶円を見込んで始まりましたが、実際のところ、そもそもの導入企業が10%程度であるため、思った以上の効果が出ていない事は想定されます。
日本のGDPの6割は個人消費と言われているため、個人消費を拡大すれば日本のGDPは大きく伸びる事が想定されるため、個人消費を促すという発想はとても良いと思われます。ただ、そもそも論で個人消費を促すためにはどのようにしたら良いでしょうか?
私は個人の可処分所得が増える事が最も個人消費を促すと考えています。
多くのサラリーマンの方は毎月使う事の出来る金額が限られています。例えば月々のお小遣いが3万円である場合、プレミアムフライデーで早帰り出来たから飲み会に行った、そうすると土日で飲み会は控える、という事になると想定されるからです。
つまりプレミアムフライデー自体に個人消費を促す影響は多少はあると想定されますが、個人消費のタイミングがずれただけであり、個人消費総額で見れば特に大きな影響は出ないのではないかと想定されます。
更に2018年は実質賃金が低下傾向とも言われていますので、早く帰る事が出来るからと言って一概に個人消費が大きく促される政策になっているとは言い難いと思います。

逆に言えば個人消費を拡大するのであれば実質賃金を大きく改善することが出来れば大幅に個人消費は促されると思います。そのような意味でも2018年の実質賃金マイナスは日本としては苦しいデータになってしまいましたので、増税なども控えていてあまり良い未来が期待できないですが、2019年は是非改善出来るようにしてほしいですね。
労働者への影響
プレミアムフライデーの発足当初は個人消費を促し景気回復に一石を投じる、という事が大目標でしたが、昨今は働き方改革が社会の中でかなりのキーワードになっており、プレミアムフライデーも働き方改革に向けた一つの政策になっているように思われます。
政策の失敗を別の目標にすり替える事で誤魔化そうとしているような気もしますが、実際に経済に全く貢献していないとしても労働者にとって少しでも働きやすくなったのであれば、政策として良かったとは思っています。
実際にプレミアムフライデー取得を推奨会社に勤める一人の人間としての感想は
- 良いと感じる点
- プレミアムフライデーに有休が取得しやすくなった
- プレミアムフライデーは15時以降働かなくても良い、という雰囲気が生まれるようになったため、15時以降はのんびり働ける←本末転倒!?
- 悪いと感じる点
- 結局のところ業務量が調整されなければ取りたくても取れない
- 3時退社という時間が非常に中途半端であるため、そこから何かする、と個人的にはなりにくい
- 社外の友人がプレミアムフライデーを実施しているとは限らないため、社内の人と何かする、という程度にしか利用出来ない
かなというのが感想です。
そもそもで取得推奨企業が少ないという問題や推奨出来る業界が限られるという問題はあるにせよ、私個人の感想としては有休が取得しやすい日が一日増えたというメリットも有り、そもそもの働き過ぎ、と言われる日本文化に対して一石投じる政策にはなったのではないかと思っています。
まとめ
当初の個人消費を促す、という目標に対してはあまり良い効果を出せていないように思えるプレミアムフライデーですが、近年話題の働き方に対して個人の満足度改善を促す、という目標に対しては多少なりとも効果があったのではないかと思っています。
会社も個人もやる事全て良い結果を生めるとは限らないので、政府が実施する様々な政策についてもカット&トライでPDCAを回しながらドンドンと色々な事をやってみて欲しいなと個人的には思っています。
最後まで読んで頂きありがとうございます。