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こんにちわ!
フランス政府がルノーにカルロス・ゴーン氏の会長兼CEO職の交代を要求し、解任される見通しになった事について書いていきたいと思います。
フランス政府の企業介入から見る世界情勢
まず、今回の人事について一番注目すべきはフランス政府のルメール経済・財務相がルノーに対して解任要求を行った事です。
日本で言うならば安倍政権がトヨタに社長交代を命じるような事であり、このような1企業への政府介入は日本では考えられません。
以下でも触れましたが、ルノーは筆頭株主がフランス政府であるため、このような人事介入が可能になっています。間接的に政府企業と言っても過言ではない状態です。

こうした状況も世界的に1つの企業が国よりも大きな影響力を持ち始め、政府としても放置出来ない状況であることが要因になっていると思います。
国として豊かになるためにかつては武力(戦争)によって富を勝ち取っていましたが、現代は核兵器が抑止力となり、そうした植民地政策による富国方針が取れなくなりました。しかし代わりに経済の戦争をするようになり、テクノロジーによって経済戦争への勝利を目論むアメリカや国として全面バックアップでHuaweiを世界的企業に発展させようとしている中国等、国策は様々です。
今回のフランス政府も国として放置出来ない企業の1つであるルノーであるからこそ、介入した、という事が想定できます。
日産への影響
さて、カルロス・ゴーン氏の会長兼CEOの解任は日産に対してどのような影響を及ぼすのでしょうか?
私は日産側にも強い影響を及ぼすカルロス・ゴーン氏がルノーのトップではなくなることで少なからずルノーから日産への影響力が低下すると想定しています。
元々日産は経営難だったところにゴーン氏を招集して経営再建をして貰った、という側面があるため、日産内ではゴーン氏に権力が集中してしまっている問題がありました。そのため、日産の大きな方針はゴーン氏がその気になってしまえば、フランス政府に有利なように全て進める事も可能だったかと思いますが、その重要人物がいなくなってしまったのでこの影響は少なくない影響かと思っています。
今後の日産は?
ルノーの利益うち、日産からの配当がかなりの割合を占めている状況である事や株式保有数から見ればルノーが日産の親会社のような状態ではありますが、現在は日産の方がルノーよりも利益が大きい事という状況です。
このような状況で当然日産はルノーに対して対等な関係を求めると思います。一方でルノー側もとい、フランス政府からすればその状況は面白くありませんので現状の関係性維持を求めるはずです。
しかし、カルロス・ゴーン氏がいなくなった現状でどこまでその関係を維持出来るのか、等については今後の動向に注目です。
少なくても現状ではルノーは日産株を43.4%保有しており、日産の議決権を持っています。一方日産はルノー株を15%しか保有していないため、ルノーの議決権を持っていません。この部分は今回の騒動で解決して欲しいなと一人の日本人としては思っています。
議決権とは?
株主の権利として、会社の経営方針などに対して決議できる権利のこと。原則としてその所有する株式数に応じて一定の量の議決権を株主総会において行使できる。株主総会とは株式会社の基本方針を定める場であることから、株主の議決権は、株主の権利のうち「共益権」のひとつであり、「経営参加権」ともよばれる。企業の利益や資産、経営権に関する取り決めなどを決議する権利として、売買単位株主は1単元株につき、1票の議決権を有する。売買単位未満の株主に対しては、それらの権利は認められていない。
引用:ASCII.jpデジタル用語辞典
まとめ
- 1つの企業が国の状況を左右するほど大きな影響力を持つようになっている
- カルロス・ゴーン氏の解任によってルノーから日産への影響力は低下が想定される
- 日産は今回の騒動を機に資本提携の見直しが狙いと想定される
最後まで読んで頂きありがとうございます。